みなさまに支えられて、

                         ポーランド・日本文化センター設立趣意書

バルト海に面したグダニスク(Gdansk)はグダニスク、ソポート(Sopot)、及びグデニア(Gdynia)グダニスク、の三都市(Tri-Cities)で構成されワレサ(Walesa)率いる港湾労働者の組合連帯によるペレストロイカ発祥の地として知られます。私は2001年3月名古屋大学を定年退官し、同年4 月当地グダニスク医科大学に教授として赴任し、大学院生、学部学生の研究・教育指導に従事してまいりました。
1995 年名古屋大学医学部とグダニスク医科大学の間に学術交流協定が成立して以来研究者・学生の交換を実施してまいりましたが、当地への赴任を機に両国間の一層の文化交流促進を目的とした文化センター設立を志しました。グダニスク医科大学ミハエル・ポジニアック教授始め多くの方々の賛同を得て具体化に努力してまいりました。
ポーランドで最も有名な避暑地として知られるソポート市の市会議員でもあるボジニアヅク教授のご尽力により、ソポート市長からセンター設立のための土地の提供を受けました。ポーランド・日本文化センターの構想としましては、提供された土地全体を日本庭園とし、その中に両国文化交流のための諸施設を設けます。日本庭園は単なる観賞用ではなく日本文化紹介の糸口とし、センター内で日常的な文化交流の場を提供するものです,日本料理、茶道、生け花、盆栽、ポーランドの伝統的工芸、料理の紹介、講習の場を設けます。また、剣道、空手、柔道、合気道などの道場を設け、両国のスポーツ面での交流促進を図ります。岡田憲久教授(名古屋造形芸術大学)にセンター建設予定地を調査いただき、日本庭園設計図をすでに提供いただきました。さらに、センター設立を両国の各方面の方々に広くご支援いただくことを目的として、2003 年ワルシャワ日本大使館後援のもとに当地において「日本の夕べ」を開催しました。生田流琴曲紫陽会田中比呂子氏及び門下生による琴演奏会、日本画家田中尚子氏、書道家大平玲華氏による個展を開催しました。さらに、日本さくらの会鬼頭政勝氏に桜の苗木をお持ちいただき植樹祭を催すことができました。いずれもボランティアとしてご協力いただきました。
トヨタ自動車はじめ多くの日本企業の方々がポーランドで活躍されていますが、ヨーロッバ連合(EU)の重要な一員として今後の発展が期待されるポーランドとわが国の経済的な結びつきは益々強くなると思われます。文化センターの設立は両国の相互理解を深めることによって経済的な交流にも大きく貢献するものと信じます。
既に名古屋大学医学部内にセンター設立基金を設け、各方面にご協力をお願いしてまいりましたが、さらに一層のご支援を心からお願いするものです。

 

2005年7月2日

発起人代表
名古屋大学名誉教授
グダニスク医科大学細胞病理学講座教授

若林 隆

 


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